医療の進歩というのは目覚ましいものがあり、次々と新しい器具や手術方法が登場していますね。
私達素人にとってはそれらにあまり触れる機会もなく、いくら画期的な技術ですよ、と言われても殆どの場合「はあ、そうですか。じゃあ、お願いします。」で終わってしまうのではないでしょうか。
専門知識や経験のあるお医者さんの言われた通りにすれば間違いないと思うのですが、しかしなが、らせめてそれらの大まかな仕組みを把握したい、という気持ちもありますね。
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そんな訳で今回はフローダイバーという言葉を目にし、調べているうちにこんな器具があるのだなと感心したので、その仕組みを分かりやすく解説したいと思います。
Contents
フローダイバーターとは?
脳内の血管にできた動脈瘤を治療するための器具(複数あり)の名称で、このフローダイバーターを使った治療法がフローダイバーター留置術と呼ばれているそうです。
正式名称は器具と施術方法をひっくるめてPipeline Flex(パイプラインフレックス)フローダイバーターシステムと呼ばれています。
Pipeline Flexというのは器具の具体的な名前で、これより以前に使われていたのはPipelineという器具です。つまりPipeline Flexというのは最新の器具名になります。
画像を御覧ください。フローダイバーが血管の中にすっぽりと収まっていますね。そして右側の大きな部分が瘤、つままり動脈瘤という事になります。
拡大図はこのようになっており、これを血管へ挿入して瘤への血流を止めるという訳です。
本製品の特長は,メッシュ状の筒型デバイスを脳動脈瘤のある動脈に留置し,元の動脈の血流を温存しながら,脳動脈瘤内への血液の流入を遮断し,脳動脈瘤内部の血栓形成を促進する点にある。また,遮断された脳動脈瘤のネック部(入口部)で内皮細胞を増殖させ新たな内膜の形成を誘引することにより脳動脈瘤の破裂リスクを低減させる新たなコンセプトの治療が可能となる。http://www.innervision.co.jp/products/release/20151208より
そして瘤への血流が止まるのが半年~1年後。国内では前年までに50件ほどの施行件数との事。
下のサイトはその成功率やリスク等を分かりやすく解説していますので、素人でも読みやすくておすすめです。
http://ameblo.jp/nsdr-rookie/entry-12013035102.html
動脈瘤とは?
さて、それでは話しは前後してしまいますが、今度は動脈瘤について調べてみましょう。
動脈は酸素を多く含んだ血液を、脳や肝臓といった臓器、筋肉や皮膚といった組織に送る役割をしています。それはまるで全身にはりめぐらされた道路のように体のすみずみまでいきわたっています。動脈瘤とはその動脈が風船のように膨らんでしまうことを言います
中略
原因による分類
- 1. 動脈硬化性・・・血管壁の動脈硬化によって大きくなっているもので、原因として最も多い。
- 2. 炎症性・・・自己免疫疾患などを背景に、血管壁の炎症によって大きくなっている。
- 3. 感染性・・・付着した細菌により血管壁が破壊されて大きくなっている。
http://www2.kuh.kumamoto-u.ac.jp/より
以上は熊本大学のサイトからの引用ですが、酸素を多く含んだ血液を運ぶ血管を動脈と呼びます
そして動脈瘤とは、その動脈が何らかの原因で膨らんでしまう事を指します。
http://www.mdtendovascular.com/
動脈瘤の原因
原因は熊本大学のサイトによると
1.動脈硬化
2.自己免疫疾患による血管の炎症
3.細菌によって血管壁が破壊される感染性
等が考えられるという事です。動脈硬化は普段の食生活や睡眠のリズム等が乱れる事によって生じやすくなると言われている、生活習慣病の一種ですね。これはよく聞きます。
予防法としては規則正しい生活をして、バランスの取れた食生活を心がけて抵抗力をつけるという事になるのでしょうが、なかなか言うほどこれらの事を守れないところが悩み何処ですよね。
自然治癒が期待できない動脈瘤
大動脈瘤は一旦形成されてしまうと、元のサイズに戻ることはありません。しかし、発見されたあとでも血圧を下げる薬(降圧剤)で血圧コントロールをすることにより、拡張する速度を遅らせ、破裂を予防することが可能ですので、これは非常に大切な治療となります。
http://www.mdtendovascular.com/thoracicaorta/thoracic_treatment.html
上記のサイト(大動脈瘤.com)によると一旦形成された瘤が元に戻る事はないそうです。これは初めて知りました。クスリでなんとかなるのかな?と漠然と思っていたのですが、そうじゃないみたいですね。だったらなおさら食生活や生活習慣には気をつけたい所です。
胸部大動脈瘤の根本的な治療法としては、開胸して瘤を切除し、人工血管に置換する方法があります。もしくは動脈瘤の発生部位によっては、身体に負担の少ない治療として血管内治療があります。http://www.mdtendovascular.com/thoracicaorta/thoracic_treatment.html
動脈瘤を根本的に直すには人工血管と、血管内治療(フロダイバーター留置法等)の2種類という訳ですね。
以前書いた記事で人工血管を使用している人がいたのですが、傷跡はかなり生々しかったです。詳しくは下のリンク先に書いてあります。
アニメ好き家電ライター藤山哲人の経歴を調査!オタクとの噂?
手術跡
こちらが人工血管
藤山哲人フェイスブックより
しかし今回調べた器具は頭の血管に入れるものという事で、脳内に動脈瘤が出来たらどれほど大変な事になるか…想像したくないですね…
そのためにも出来る限りバランスの取れた食生活を心がけたいと、繰り返しになりますが、思います。
下のサイトは簡単に動脈硬化がチェックできるので試してみるのもアリですよ。
http://www.domyaku.net/arteriosc03-02.html
どこの会社が作っているのか?
さて、それではこのフロダイバーターとはどこの会社が作っているのか?という事ですが、詳しくは分からず海外メーカーが作っているようですが、日本においては日本メドトロニック株式会社というところが最新のPipeline Flexを2015年10月に導入を開始しました。
尚欧米においては既に2011年にPipelineが認可されたという事ですので、日本は欧米から遅れているということになります。
どこで治療しているのか?
東京の虎の門病院(東京都港区)で既に治療を開始しているという事です。
こちらでは最新のPipeline Flexを使っているそうです。
以上フローダイバーターについてでした。