昨年パナマ所在の法律事務所モサク・フォンセカが作成したとされる租税回避行為に関する機密文書、いわゆる「パナ文書」が流出して騒ぎになりましたが、またもや同じような流出騒ぎが起きたようです。
今回流出したのは英領バミューダ諸島発祥の法律事務所「アップルビー」等の内部文書で、
その中にはトルドー(カナダ首相)氏、エリザベス女王、ウィルバー・ロス商務長官等、錚々たるメンバーが勢揃い。
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なんともまた大規模な疑獄事件に発展しそう(するか?)ですが、我が日本も他人事ではありません。
なんと、「あの」鳩山由紀夫元首相や、漫画家の鳥山明氏の名前もちゃっかりと記載されていたそうです。
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パラダイス文書の流出経路は?
パラダイス文書の流出経路は、何者かによって南ドイツ新聞に持ち込まれたものが、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)を通じて各メディアに拡散された、という事でした。
前回のパナマ文書と同じ流出経路ですね。
前回匿名の告発人から文書を受け取ったのは南ドイツ新聞の記者バスチアン・オベルマイヤー(Bastian Obermayer)氏です。
今回もまた彼がパラダイス文書をICIJへ持ち込んだのかは不明ですが、以下のようにツイートしています。
Here we go: PARADISE PAPERS is the thing we sat on 4 a year. 13 million docs, 380+ journos, 97 media orgs, 67 countries: paradisepapers.de
— Bastian Obermayer (@b_obermayer) 2017年11月5日
国際調査報道ジャーナリスト連合
南ドイツ新聞が入手したパラダイス文書を持ち込んだ先は、アメリカに本部がある国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)。
この団体は非営利団体であり、表向きは中立を謳っていますが、投資家で有名なジョージソロスが出資しているオープンソサエティ財団やフォード財団(CIAと関わりが深い)等が資金援助をしています。
つまりは今回のパラダイス文書の開示により、どの筋に利益をもたらし、どの筋に不利益になるかを考えれば自ずと垂れ込んだ人物の素性も察せられるでしょう。
パナマ文書の解析に参加していた日本人
前回のパナマ文書の解析の際に国際調査報道ジャーナリスト連合から声がかかった日本人として名前が挙がっているのが以下の二人。
共同通信の澤康臣記者
朝日新聞の奥山俊宏編集委員
です。
今回のパラダイス文書にも関与しているかどうかは不明です。
鳩山由紀夫は何をしていたのか?
さて、そんな怪しげなリーク文書に名前が上がっていた元首相の鳩山由紀夫氏は一体何をしていたのでしょうか。
各メディアの報道によると、魔の三角地帯でお馴染みのバミューダ諸島に設立され、香港を拠点とする資源会社「ホイフー・エナジー・グループ」の名誉会長を2013年から務めていたようです。
鳩山氏自身は経営への関与を否定しているようですが、顧問料(名義貸し料?)としてある程度の報酬は得ていたそうです。
察するに口利き料、或いは信用を担保するという、いわばお飾り的な存在、またはわかりやすくいうと官僚の天下り的立ち位置だったようです。
本人筋曰く「受け取った顧問料は適正に税務申告している」との事なので、印象としては芳しくないものの、表向きはセーフのようですね。
が、
その他にも内藤正光元総務副大臣等、元国会議員3人が同文書の中に名前が見つかり、それぞれ投資商品を購入していたり、役員に就任していたとの報道もあるので、今後さらに何か出てきそうな感じではありますね。
鳥山明は何をしていたのか?
次に漫画家の鳥山明ですが、
彼は2000年、アメリカに設立された不動産リスの投資事業組合に出資していたようです。
この件に関して鳥山氏は
「日々多忙のため、税務面はおまかせにしていますのでお話しできることはありません」
と、取材に応じたようで、こちらも具体的に何か悪さをしたというわけではないようです。が、租税回避地の法律事務所の文書に名前が記載されていたという点では、こちらも鳩山氏同様、印象はあまりよろしくはないですね。
という事で、前回のパナマ文書には
・ソフトバンク
・丸紅
・伊藤忠商事
・楽天
・電通
等々、超有名所がずらりと名を連ねていた、にもかかわらず、どの企業も信用が失墜したわけでもないので、今回もまたスルーされそうな、そんな印象を受けました。
以上、パラダイス文書についてでした。