10月3日にノーベル賞が発表される訳ですが、アメリカの調査会社によると3人の日本人が受賞候補として名前があがっているそうですね。
毎回思うんですが、よくも毎年のようにノーベル賞をとるものだなぁと頭が下がりますが、そんなノーベル賞の発表を前にして、ついさきほどイグノーベル賞の受賞者が発表されました。
その中には2人の日本人の名前が!
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やりましたね。
という事で今回はイグノーベル賞についてです。
Contents
イグノーベル賞とは?
イグノーベル賞とは簡単に言ってしまえばノーベル賞のパロディ版。
イグノーベル賞
「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」
ウィキペディアより
パロディといっても単に笑いを誘うだけのものではなく、授賞式はアメリカのハーバード大学で行われるという事から、一応ノーベル賞の格式の高さを強調しつつも、研究テーマはどこか馬鹿馬鹿しいもの。
例をあげれば
・足の匂いの原因となる化学物質の特定
・ハトを訓練してピカソの絵とモネの絵を区別させることに成功したことに対して
などという、普段思っていても大真面目に研究される事がない事に関して、学者先生などが大真面目に論じあい、その優劣を競うといったものです。
講演の中では
聴衆から笑いをとること
を要求されているので、どうしてもユーモア溢れる研究テーマになってしまうのでしょう。
因みに旅費と宿泊費は自己負担だそうです。つまり参加者は費用を負担してまで参加するほど真剣だという事を証明するための措置なのでしょうが、見返りは名誉だけ。
つまり単なる道楽だけではおいそれとは参加できない仕組みになっていますが、そのへんにもユーモアが感じられますね。
日本人は常連
本物のノーベル賞同様、イグノーベル賞においても日本人は常連で今までに数多くの受賞者を出しています。
1991年の創設以来、20回受賞。2007年からは10年連続で受賞しています。
つまり今回は記念すべき第20回目の受賞という事になりますね。
受賞者及びプロフィールとテーマは?
立命館大文学部・東山篤規教授(65)
https://dot.asahi.com/より
学歴
1974/03 大阪市立大学 文学部 人間関係学科 卒業
1976/03 大阪市立大学大学院 文学研究科 心理学 修士課程 修了
1978/04 大阪市立大学大学院 文学研究科 心理学 博士課程後期課程 中退取得学位
文学博士 (1983/12 大阪市立大学)所属学会
関西心理学会
日本心理学会
サイコノミックソサエティ(Psychonomic Society)
日本視覚学会
日本環境心理学会研究テーマ
触覚と痛み
空間知覚
大阪大学・足立浩平教授(57)
https://www.his.gr.jpより
専門分野:多変量解析・心理統計学・サイコメトリックス
主要著書:
Measurement and Multivariate analysis. Springer (2002年) (分担執筆)
心理統計の技法. 福村出版 (2002年) (分担執筆)
多変量データ解析法 -心理・教育・社会系のための入門-. ナカニシヤ出版 (2006年) (単書)著者略歴:
1958年 大阪府大阪市生まれ
1982年 京都大学文学部哲学科(心理学専攻)卒業
2003年 立命館大学文学部 教授
2005年 大阪大学人間科学研究科 教授 現在に至るhttps://www.his.gr.jpより
が「知覚賞」を受賞しました。
テーマは
「股のぞき効果」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160923-00000012-asahi-soci.view-000より
子供の頃に誰もがやった事があるであろう例のアレです。
股のぞきをして景色を見ると、天地が逆さまになり、直立した姿勢で見た時より平らで奥行きが少ない印象を受ける。朝日デジタルより
だから何なんだ?
と言えばそれまでですが、これを90人のサンプルを使い、2006年に専門誌に論文を発表したそうで、それが今回評価されたという事になります。
一見馬鹿馬鹿しいと思えますが、今回の他の受賞者の研究テーマも
白馬がアブに刺されにくい理由とトンボが黒い墓石に引きつけられる理由(物理学賞、ハンガリー他)
といった、だから何なんだ?と同じく首をひねる内容。
しかし、
まもなくイグノーベル賞の発表ですが、よくある誤解を1つ。
イグノーベル賞は面白い研究に贈られるのではなく、一見面白いのだが内容はその分野に大きな影響をもたらす凄い研究に送られます。物によっては本家ノーベル賞送られても不思議ではないです。
ただし皮肉を込めた負の受賞もあるにはある。— エビフライ@2カ月後兵庫県民 (@kiruria281) 2016年9月22日
といった背景もあるようなので、ニッチな分野を真面目に研究している人々に光を当てようという目的もあるようです。
ツイッターの反応
まさか統計の業界からイグノーベル賞受賞者が出るとは…というか足立先生と来週会うんですけど!https://t.co/8CipbU0rGf
— KAWAII0093! (@kawaii0093) 2016年9月23日
昨日のNHKニュースで、にっぽんから毎年受賞者が出る!にっぽんすごい!っていう文脈でイグノーベル賞を扱ってて、さらに「過去の受賞者」としてドクター中松への取材を延々時間割いて流してるのはさすがに頭おかしいのでないか、と思った
— ふわうさ ⚒ 一汁一菜 (@mannin) 2016年9月23日
「足の間からものを見ると違って見えるか」の研究でイグノーベル賞を受賞したのが「足立」先生というところまでがセットなのでは……?
— こなたま(CV:渡辺久美子) (@MyoyoShinnyo) 2016年9月22日
発表されて間もないせいなのかあまり反応は無いみたいですね。
それなりに経費をかけて研究、発表しているわけですから、こうして賞を受賞するという事は宣伝効果及び、スポンサーにも言い訳が立つので、そのような意味でもイグノーベル賞は大いに貢献しているのでしょう。
しかしこれらの研究が具体的にどのように役立つのか分からないところに、各方面の人々のジレンマが見え隠れしているような気もします。
以上イグノーベル賞についてでした。