トルコのクーデターの原因と失敗の理由とは?首謀者はギュレン師?

7月15日夜(現地時間)、トルコで軍事クーデターが発生。

多くの犠牲を出しながらも翌日には早くも沈静化し、エルドアン大統領は首都イスタンブールでの演説で「クーデターの試みは失敗した」と宣言。

この騒動により軍関係者2839人が逮捕され、判事2745人が解雇されました。

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タイなんかではイベントのように定期的にクーデターが起きていますが、トルコでクーデターとは珍しいでね。まあ、今回はあっというまに鎮圧されたので、軍の派閥の対立というような大規模のものではなく、ごく一部の反乱という事なのでしょう。

今回は何故クーデターが起きて、なぜこんなにも早くに収束したのか、その理由を簡単にまとめてみました。

 

トルコ軍

まずはトルコ軍の規模から。

軍人数: 79,414,269

兵役についている人数/予備役数: 410,500/185,630

航空機数: 1,007

戦車数: 3,778

2016年世界軍事ランキング http://www.msn.com/より

41万人が現役の軍人。

因みに日本は25万人です。

他の主な国を見ると

 

中国-233.5万

アメリカ-140万人

ロシア-76.6万人

韓国-62.5万人

日本の軍人数に近い国としてあげられるのは、フランス20.5万人。各軍事作戦にも積極的に参加している印象があるイギリスは15万人。意外と少ないですね。

なので世界規模でみると軍人数としてはかなり多いほうではないでしょうか。

少子化が進んだ日本も今のところ25万人と健闘。イギリスの例をみればあと10万人ぐらい減ってもなんとかやっていけそうですね。

しかし中国の234万人という数字は驚異的ですが、総人口が日本の10倍だと考えるとそれほどでもないような気はします。

 

首謀者は?

アメリカに亡命中のギュレン師(Fethullah Gülen)が指導するイスラム組織「ギュレン運動」という団体が軍の背後にいるとは、政府の見解

が、ギュレン師は病気療養中で滞在しているアメリカのペンシルバニアで記者会見を開きこれを否定しています。

「トルコのクーデターを強く非難する。政府は軍事力ではなく、自由で公正な選挙によって樹立されなければならない。」

以上の発言のとおり、比較的リベラルで穏健派という印象ですが、何故トルコを脱出して亡命をしたのでしょうか?

 

クーデターの原因とは?

トルコという国は他の主要アラブ諸国とは事なり政教分離を原則とし、その代わりに軍が政治に強く干渉していました。

2002年公正発展党(AKP)政権が樹立されて、エルドアン氏(Recep Tayyip Erdoğan)は翌年首相に任命されます。

軍の干渉を快く思っていなかった市民からの圧倒的な支持を得てエルドアン首相のもと、トルコは長期政権に突入、そして経済大国へと発展します。

2014年、トルコの大統領に選ばれたエルドアン氏はこれをもって自分に賛同しない軍の幹部を追放し、長年の懸念されていた政府への軍の干渉の排除に成功しました。

これで勢いに乗ったのか、エルドアン大統領は次第にイスラム重視を語るようになり、それへの反発もあって今回のクーデターが起きたとの見方もあるようです。

クーデター側としては、建国以来の政教分離に反するとの大義名分も一応はあるようですが、問題はイスラム重視を語っているエルドアン大統領もかなり市民から支持されているという点。事実市民とクーデター側との衝突もあったそうなので、今回は政府、軍、警察、市民入り乱れての騒乱だったようです。

宗教を排除すれば軍が台頭し、宗教重視をすれば軍が反発

という、宗教利権vs軍利権の対立が根底にはあるようです。

 

エルドアン大統領とギュレン師の対立

元々エルドアン大統領とギュレン師はイスラム重視という一致点がありました。つまりそのような意味では同志だったわけです。

しかしギュレン師は次第に強権的になっていくエルドアン大統領に懸念を抱き、彼の元を去ってしまいます。

2013年、エルドアン大統領はギュレン師及び彼の団体を「テロ組織」と認定し両者の対立は決定的となりました。


・政教分離の元でのイスラム重視

・軍の影響力排除

という点では志を同じくしていた両者なのですが、そのイスラム重視の程度の差(公的機関でのスカーフの着用、飲酒制限等)が二人が離れる原因となったようです。

そして権力側のエルドアン大統領は離反したギュレン師を「逆賊」にしてしまいます。

実にわかりやすい構図ですね。

 

クーデターが失敗した理由とは?

一時はボスボラス海峡を占拠したとも言われている反政府軍ですが、政府に味方する市民の協力もあり、あっという間にクーデターは鎮圧されてしまいました。

 

トルコの住民はギュレニストの兵士によるクーデターの試みに抵抗する。私たちはこうしたことを二度と起こしてはならない」http://bylines.news.yahoo.co.jp/より

こちらは「ギュレニスト」とレッテルを貼って非難している事でも分かる通り、大統領支持派のツイートです。

警官隊が市民に安全を約束している様子。

おそらくギュレニストという言葉には大統領側のプロパガンダが含まれてもいるのでしょうが、彼の強権によりトルコが経済大国へと発展したという背景もあるので、大統領への非難が多い一方、支持者もそれなりにいるという事から、今回はそれら市民の協力があったからこそ、このように迅速に騒動が収まったものかと思われます。

逆に言えば、市民の蜂起を期待して起こしたクーデターも、蓋を開けて見れば予想を遥かに上回るほど大統領が国民から支持されていたとも言えるかもしれませんね。

以上、簡単ではありますが、トルコのクーデターについてのまとめでした。

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