桂歌丸は何故円楽にコケにされまくったのか?

平成30年7月2日、毎週日曜の夕方に放映されている落語番組「笑点」でおなじみの桂歌丸さんが他界され、

その告別式が、同月11日に横浜市港北区の妙蓮寺で執り行われました。

同式場には関係者やファンなど、総勢2500人もの弔問客が訪れたということです。

2500人という数からも、いかにその死が人々に悔やまれているのか、よく分かります。

また、告別式の雰囲気ですが、「笑点」のメンバーでもある林屋木久扇をはじめとした落語仲間から聞かされる桂歌丸さんの面白エピソード(「桂歌丸さんは初海外で飛行機に乗り遅れた」などなど)が繰り広げられ、落語家の最期らしく笑える場面もあったのだそうです。

さて、桂歌丸さんといえば、「笑点」の名司会者として、お茶の間を賑わせてくれましたが、日本人の多くは、「笑点」から「ちびまる子ちゃん」「サザエさん」へと続く日曜日のゴールデンタイムを満喫したことがあるのではないでしょうか?

今回は、追悼の想いも兼ね、桂歌丸さんの略歴や「笑点」での立ち位置などを振り返ってみたいと思います。

 

桂歌丸のプロフィール

桂歌丸さんは1936年の8月生まれ、享年は81歳です。

神奈川県横浜市に誕生しました。

その風貌と口調からてっきり江戸のお生まれかと思っていたので意外や意外。

幼いころに父をなくし母は家を出…そうして歌丸さんは遊郭を営んでいた祖母に育てられることになります。

中学生のころには落語に興味を持っていたらしく、遊郭で行われた遊女の慰労会で参加していた春風亭柳昇の落語を聞いて落語家を志すことにしたそうです。

現代風に言えば風俗店の経営者のもとで育てられたと言えなくもないでしょうが、そんな特異な環境が結果的には功を奏したのでしょうね。

 

円楽の歌丸イジリは自身が提案?

「笑点」の芸の一つに、司会である歌丸さんをイジリ、客席の笑いを取るというものがありました。

三遊亭円楽さんと歌丸さんは、よくバチバチとやってましたね。

それで結局、円楽さんの座布団はすべて持っていかれるという(笑)

しかし、お世辞にも仲がよさそうには映っていなかった2人ですが、実はとても仲が良いんですね~

テレビでの共演や円楽さんの主催するイベントで2人で登壇していたことも多かったらしいです。

円楽さんがまだ若手で、ネタ作りに困っていたころ「自分(歌丸)のことでも喋ればいいよ」と歌丸イジリを推奨するようなアドバイスをしていたとか…そのアドバイスが、結果として「笑点」での笑いに繋がっていたのかもしれないですね。

(私等は、こんなヨボヨボの年寄り相手になんて不躾なやつなんだと、振り返れば頓珍漢な事を思っていたものですが 笑)

他にも、歌丸さんの芸の一つに「笑点」メンバー全員の座布団を剥いでしまうという「歌丸ジェノサイド」という技があります。

具体的には、「笑点」のメンバーが歌丸さんを笑いのネタにしたときに繰り出される技です。

ここで個人的にポイントだと思うのが、歌丸さんはよく他の「笑点」メンバーから笑いのネタに…つまりはバカにされることが多々あります。

もちろん、年齢で考えれば、歌丸さんが一番目上の人間です。なのに、なぜバカにされてばかりだったのか。

それは、歌丸さんの落語と「笑点」にかける哲学があった為です。歌丸さんは、司会に就いた時から一貫して「席についたからには誰もが平等」ということを言っています。特に、比較的若いたい平さんと昇太さんがメンバーに加わった時には、念を押すようにして言っていました。

「遠慮のない方が、質の高い笑いを生み出すことが出来る」

と。

事実、「歌丸イジリ」は、歌丸さんが司会になってからの楽しみにの一つになっていたであろう事は、誰しもが認めるところでしょう。

歌丸さんの笑いにかけるこだわりが、ここで垣間見えますね。

それをフックとし、「笑点」のメンバーも、思い思いに自身の笑いを追求できたのではないかなと思います。

 

病気がちで入院を繰り返す桂歌丸さん

しかしそんな歌丸さんも、2010年代から腸や肺の病に罹り、度々「笑点」を欠席することや入退院を繰り返すことになります。

仕事熱心な歌丸さんは、まだ完治していない状態で楽屋入りすることもあったらしく、その際は車椅子を使用していたとか…それでいて高座(よく見る落語の台上)をこなしたというのだからすごい。

しかしそれでも寄る年波には勝てず、2016年の「笑点」50周年記念の会を最後に「笑点」の司会を降板しました。

そんな、笑点に多大なる貢献をした彼に送られた言葉が

「終身名誉司会」

もちろん、「笑点」50年の歴史の中でこのような名誉を与えられたのは歌丸さんただ一人です。ここでも、

歌丸さんがいかに愛されていたのかがお分かりですね。

 

歌丸ロスト後の落語会

桂歌丸さんの代わりは誰になるのだろうと、ざっと落語界を見渡してみても、

パっ、とは思いつきません。

「ツッコミのキレもよく」「いじりやすく」「気さく」な人物。

意外や意外。

こういう人は案外少ないものです。

 

お茶の間にとっても、落語界にとっても桂歌丸さんの穴を埋められる人はいないのではないでしょうか。

 

そう思うと、少し寂しいですね。

 

以上。

 

合掌。

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