今回の男子柔道すごかったですね。
全階級でメダル獲得という快挙を成し遂げました。
男女合わせれば、金メダル3つに銀メダル1つ、そして銅メダル8つの合計12個。
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ロンドン大会では男子の金メダルはなし。その前の北京大会では金メダルは2つでしたが、メダルはその2つのみ。今回は金2つ、銀1つ、銅4つの合計7つですからね。
今回は何故こんなに男子柔道が躍進したのか、その秘密を探っていきたいと思います。
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結論から申しますと、監督の交代。
これに尽きるようです。
前回までの監督は篠原信一さん。
現在はタレントとしてテレビ等で活躍していますね。
2012年のロンドン大会で金メダルが0に終わった事が辞任の理由ではないかと言われています。
その後を引き継いだのが井上康生監督。
2000年のシドニーオリンピックでは100kg超級で金メダルを獲得しています。
篠原さんの指導スタイルは大日本帝国も真っ青な力押しの精神論。
対して井上監督の指導スタイルは、理論的かつ合理的で現実的な方法論と言われています。
何故こうも違うのか?
篠原さんはあのような体格にもかかわらず、技のキレやタイミングは神技級だったそうです。そんな神の技を持っていたが故に、その神の技を持たない凡人が凡人たる理由を出来ませんでした。
凡人には自分にとって自明の理である事も、懇切丁寧に一つ一つ言葉で説明しないと伝わらないという事を篠原さんには理解できていなかった、あるいはわかっていても伝えきれなかったが故に、怒鳴り散らす精神論で突っ走ってしまった結果が、オリンピックに出たと。
このように言えるのではないでしょうか。
対して井上さんはとても理知的で、物事を論理的に考える事に秀でているらしく、それまでの柔道界が日本の美意識に固辞していて外から学ぼうとしなかった考えを改め、ボディビルの専門家の肉体改造方を取り入れたり、スコットランド留学で培った指導方法を積極的に取り入れたという事が今回のオリンピックで花開いたようです。
つまり日本の「柔道」ではなく世界共通のスポーツである「JYUDO」へ視点を移行した結果が功を奏したとも言えるのかと。これには賛否両論あると思いますが、大野将平選手の巴投げを含めた大技連発を見ると、それほど杞憂する事もないようにも思われますね。
さらに井上康生監督は選手への気配りをも心得ており、労いの言葉をかけるにも
金メダルを有力視されていた高橋選手が銅メダルに終わってしまった時には
「メダル第一号をプレゼントしてくれた。誇りに思っている」
初出場で緊張していたベイカー選手には
「俺もシドニーで金メダルをとったとのは大学生の4年生だった。」
と、うまい具合にプレッシャーとも暗示ともつかない絶妙な言い回しで選手の奮起を促した事が、金メダル獲得に繋がったのではないかとも言われています。
ただ褒めるだけではなく、選手の気持ちも察しての飴と鞭の使い方に秀でた、それが井上監督の持ち味であり、今回の柔道躍進の秘密なのかもしれませんね。
以上井上監督についてでした。