「取り返しの付かない事になってしまって…」
と言っても某アニメの有名なセリフじゃないですよ。
一応。
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という事で…
まさままさかまさかまさか…
負けてしまいました…
吉田沙保里選手…
…
…
(;_;)
…
インタビューを見てる度にこちらももらい泣きしてしまいそうでした…
あの泣き方は尋常じゃないです。
鼻の穴をヒクヒクさせて泣きじゃくる姿はまるで子供のよう…
結論から申しますとつまり、そういう事なのです。
…
というわけで今回は吉田沙保里選手が言った言葉
「取り返しの付かない事になってしまって…」
の真意をさぐっていきたいと思います。
Contents
2016年、リオデジャネイロオリンピック女子フリースタイルレスリング53kg級において吉田沙保里選手は、アメリカのヘレンマロウリス選手(24歳)に1:4で負けてしまいました。
負けた瞬間吉田選手はマット上にうつ伏せになって暫く泣きじゃくり、一方勝ったマロウリス選手の目にも信じられないという歓喜の涙。
ツイッターより
同じ涙でも随分対照的な涙だなぁと感慨深く眺め、他人の不幸は自分の幸福という、勝負事にあってはプラスマイナスゼロとの宇宙の摂理の崇敬さを改めて感じさせられました。
Mariana Bazo / Reuters
神様もいけずねぇ。
でもそこが面白いのかもしれませんが。
という事で試合後のインタビューの書き起こしです。
インタビュワー
「素晴らしい試合でした。今の気持ちを振り返ってください。」
吉田
「たくさんの方に、応援していただいたのに、銀メダルに終わってしまって、申し訳ないです。」(左指先で左目の涙をぬぐう吉田)
インタビュワー
「そんな事ないですよ。」
吉田(しゃくりあげる)
インタビュワー
「素晴らしい戦いでした。」
吉田(左手にタオルを持って左目を拭いながら)
「日本選手の、主将として金メダル取らないといけないところだったのに、(しゃくりあげる)ごめんなさい。」
インタビュワー
「決勝戦非常に厳しい戦いでしたが、あえて敗因を上げるならどのあたりでしょうか?」
吉田
「自分の、やっぱり気持ちが、最後は勝てるだろうと思ってたんですけど、
取り返しの付かない事になってしまって…」
(左指先で左目の涙をぬぐったあとにしゃくりあげる)
インタビュワー
「そんな事は誰も思ってないと思います。あのーご家族の方に行きました、どんな言葉をかけましたか、かけられましたか。」
吉田
「泣かんで、いいと…大丈夫だと、ここまで連れて来てくれたんだからありがとうっていう…言ってもらいました。」(しきりに左目の涙をぬぐう)
インタビュワー
「最後は応援団に向かって手を振られました。」
吉田
「もう、こんなにたくさんの方に遠いところまで来ていただいたので、日の丸の多さや、声援も凄い聞こえてきたんですけど、最後自分の力が出し切れなくて、申し訳ないです…」
インタビュワー
「日本中拍手を送っていると思います。素晴らしい銀メダルでした。お疲れ様でした。」
吉田
「ありがとうございました。」
会釈して去る吉田選手。
これが戦国武将だったら腹を切っているレベルの、そんな非常に切羽詰まった表情でした。
何もそこまで追い詰めなくてもいいのに、とも外野の私としては思うのですが、やはり彼女には彼女なりの、自分を追い詰める理由があったのでしょう。
2014年、3月11日午前7時15分頃。
三重県津市小舟の伊勢自動車道の路肩で1台の自動車が路肩に止まっているのが発見されます。
中には吉田沙保里さんの父親である勝栄さんのぐったりした姿が。
その後勝栄さんは病院に運ばれましたが死亡が確認されます。
死因はくも膜下出血。
奇しくも、と申して良いのでしょうか、この日は愛知県にある至学館大学に選手と合流しに行く途中だったといいます。
3歳から娘にレスリングを仕込み、公私共に長い間歩んできた二人。
2012年のロンドンオリンピックでは初めて吉田沙保里選手のセコンドに立ち、見事二人揃って金メダルを獲得します。
http://fundo.jp/より
そんな心の支えだった父がなくなって初めてのオリンピック。
だからこそ亡くなった父への感謝の気持ちを表したい。
直接表現はしなかったものの、
「取り返しの付かない」
という言葉には、
「これが最後のオリンピックになるかもしれない」
との決意があり、これを逃したら応援してくれたみんな、それに父に対しても申し訳ない、そんな悲痛な心情があったのかもしれないですね。
つまりオリンピックはこれで引退するので、有終の美を飾れなかった、或いは有終の美を父に、そして今まで応援してくれたファンや関係者に見せられなかったという、想いが、
「取り返しの付かない事になってしまって…」
という言葉として表出したのかもしれません。
「自分の、やっぱり気持ちが、最後は勝てるだろうと思ってたんですけど、
取り返しの付かない事になってしまって…」
私は「最後は勝てるだろうと持ってたんですけど」という一文が引っかかっていました。
これはどこにかかる言葉なのだろうかと。
最後は勝てるだろうと計算したうえで、勝負どころを探っているうちに勝機をつかみそこねた事に対する「取り返しのつかない」後悔と取った場合、自身の慢心が敗因だと察してのあの発言だったのでしょうか…
いずれにせよ、
・そんなに自分を責めなくてもいいのでは?
・謝る必要ないよ
・よくやった
といった労りの反応がネット上では見受けられましたが、こればかりは本人で気持ちの整理をするしかないですね…
なんか見れば見るほどこちらも気の毒になってきてしまうインタビューではありましたが、
お疲れ様でした。ひとまずゆっくりと養生してください。
といったところで終わりにしましょう…
以上吉田沙保里選手の取り返しのつかない事についてでした。