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みなさんナノナイフという言葉をご存知でしょうか?
私は最近知ったのですが、簡単に説明すると、
癌に対する局所的な治療法という事になります。
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局所的とは、小さい範囲という事ですが、つまり、周りの細胞に極力ダメージを与えずに(ダメージが出る範囲を可能な限り小さくして)出来る限り癌細胞に対してだけ働きかける、そのような治療法になります。
それでは何故ナノナイフという方法を使うのかという事ですが、例えば血管や膵管(膵液を分泌する管)の近くにある癌を治療する場合に、通常の手術では血管を破壊してしまう恐れが高いので、そのリスクを極力抑えるためにナノナイフという方法で手術します。
具体的な治療法は以下のとおり。
ナノナイフは、超音波やCTの画像を見ながらがんを取り囲むように2~6本の電極針を刺し、その針の間に3000ボルトの高圧電流を流してがん細胞を死滅させる治療法。欧米では2008年頃から、肝がん、前立腺がん、膵がん、腎がん、乳がん、肺がんなどを対象に行われてきた。
要するに針を刺しで高電圧で癌を焼くという事です。しかも1万分の1秒という極々短い時間に電流を流して癌細胞を死滅させ、さらには周りの細胞の被害も最小限に抑えられて血管の構造自体には大きな被害を与えないといった特徴があるそうです。
欧米から遅れる事7年。ようやく日本でも臨床手術が行われるようになったようです。
これまでには似たような方法としてラジオ波焼灼術という方法があり、こちらも同じく癌の幹部に電極を刺して電気を流す方法なのですが、ラジオ波の場合は温度が上昇してしまうので今では行われていないようですが、ナノナイフの場合はその温度上昇がないとメリットがあるそうです。
国内でも2014年に初めてナノナイフによる手術が行われました。
日本において初めてこの方法による手術が行われたのが2014年2月13日。場所は東京医科大学患者は60代の女性で早期の肝がん。腫瘍の大きさは1㎝。手術を担当したのは森安史典医師。
無事手術は終わり2月17日には無事退院されたそうです。
4日後には退院されてますね。腫瘍も1㎝と小さく、早期という事もあったのですぐに退院できたのでしょうか。
そして2015年4月6日、こんどは初めて膵がんの治療を行います。
患者は70代の男性でステージ4Aというかなり病状が進行した状態です。ステージは1から4まであって数字が上がる程病状が進行しているという事なので、末期状態です。
手術後は膵がんが小さくなっていることが確認されたようで、血管に浸潤していた細胞が死んだ後に切除手術を行うとの事です。因みにその後の経過は報告されていません。
以上は東京医科大学のプレスリリースからなので、一般の方が希望してもまだ治療は行っていないのではないかと思い調べてみると…
同院の場合、医師主導型臨床研究(費用は差額ベッド代のみ)として行われていて、現在の治療実績は肝がんの10例。膵がんでも希望患者の受け付けをはじめた。zakzakより 2015年1月27日付
東京医科大学病院・消化器内科で受け付けているそうですね。気になる方は病院へ直接電話してみてはいかがでしょうか。
電話番号:03-3342-6111
さて、気になるのが治療費。まだ保険適用外という事で具体的な料金は分からなかったのですが、欧米での例を出して
まだ日本では公的医療保険適用がされていないため、治療費が高額になってしまうこと。ラジオ波焼灼術の場合は手術費のみだと15万〜20万円が平均ですが、ナノナイフの場合欧米では治療費の平均が100〜150万円になります。入院も含む費用といえ、この金額差はやはり障害になります。
がん治療新時代webより 森安史典先生の言葉として。
という数字が出ています。保険適用外で100~150万円(欧米の例)。これが日本へきてどれぐらい変動するかはわかりませんが、一応目安としてはこれぐらいの金額という事です。
一見万能に思えるナノナイフですが、手術出来ないケースもあるようなので注意してください。
通電する際に全身の筋肉がけいれんするので、全身麻酔で筋弛緩(しかん)剤を注射して筋肉の収縮を抑える。心臓に電流が流れることによる不整脈を防ぐため、心電図を取りながら慎重に行うが、全身麻酔に耐えられない高齢者や心臓に持病をもつ人は難しいという。
詳細は東京医科大学病院へ確認してくださいね。
http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/