2019年6月に放送された『世界ナゼそこに?日本人~知られざる波乱万丈伝~』(テレビ東京)という番組で、アフリカのタンザニアにあるザンジバル島へ移住した三浦砂織さんが紹介されました。
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三浦は大学卒業後にアナウンサーとして活動しています。和歌山ではFM局のパーソナリティとして、そして大阪のMBS毎日放送では明石家さんまさんやダウンタウンさんなどとも共演していたというほど、関西では有名なアナウンサーだったようです。
しかし、三浦アナは何か思うところがあったのか、そのアナウンサーをきっぱりと辞め、今度はバックパッカーとして世界を旅するようになります。そして、様々な国を旅しているうちに三浦はある島へ辿り着きます。それがザンジバル島なのです。
因みにガンダムにザンジバル級機動巡洋艦という船が登場していますが綴りは英語でZanzibarと、ザンジバル島と一緒です。
ザンジバル島はあのバスコ・ダ・ガマが喜望峰を回るインド航路を発見した際に、航海途中の上陸地点となった島です。ポルトガルやオマーン、イギリスなどに支配された過去があり、そのため都市景観も独特で、世界的に有名な観光地でもあります。ミクスチャー文化が生んだアフリカの至宝といった感じでしょうか。
タンザニアの南西にマダカスカルという大きな島がありますが、第二次大戦時に日本の潜水艦(正確には母艦から発進した特殊潜航艇)がはるばる当地まで攻撃しに来ました。
その特殊潜航艇も結局は座礁してしまい、脱出した2名の日本兵は英軍の降伏勧告に応じず、15名の英兵を相手に戦って戦死してしまったという悲しい歴史があります。(この時英兵も1名死亡、5名が重軽傷を負っています。)
三浦さんはそんな歴史のある島を訪れようと近くまで来た、というわけでもないでしょうが、ぶらり気ままにたまたまマダガスカル島を訪れたというわけでした。そのとき三浦さんはその島の風景の美しさに一発で魅了され、そこへ住むことを決意するのです。
Thank you for coming Paradise Beach Bungalows.
We are fine and We wish you are very fine and happy 2013!!三浦砂織さんの投稿 2013年1月10日木曜日
後に三浦さんは定住を決めた理由について「パジェの海から海岸線を見たとき、お帰りなさい、と言われているような気がした」と語っています。そして日々の糧を稼ぐ手段として、三浦は現地で宿を始めるのです。おそらくアナウンサー時代に貯めた貯金がかなりあり、それを元手にしたのでしょう。
最近の出来事を写真でお送りします。浜辺のマサイダンスです。
そしてvegetable Sushi ロブスターFatuma。三浦砂織さんの投稿 2017年7月17日月曜日
バンガローズ付近の海。凄く綺麗ですね。
当初は自分一人で始めた宿ですが、今では現地の人たちが20人ほど働くほど大きな宿になっています…と書くとここまで順風満帆にきたようにも聞こえますが、人を雇い始めた頃は、当然ですが従業員はみなアフリカンスタイル。教育がとても大変だったそうです。
そこを女で一つで人気の宿に成長させたのですから、やはり商才はあったのでしょうね。
宿はバンガロー形式で、名前は「パラダイスビーチバンガローズ」と言い、全部で13戸のバンガローを連ねる宿泊施設です。
ただ当初は日本人ということで嫌がらせがあったようですが、三浦は「それでもここを嫌いになれない」と少しずつ周りからも認められていったのです。宿の評判ですが、
ということで、某サイトには100件以上の口コミが寄せられ、10点満点中8.9点と、かなりの好評価。宿泊料は季節や込み具合にもよりますが、大人1人あたり1泊4000円~7000円ぐらいです。
日本人が経営しているだけあって、日本人観光客の評価も概ね満足のようですね。
インド洋に浮かぶザンジバル島。どこまでも続く青い海と白い砂浜はアフリカの中でも群を抜く美しさです。そのため特にヨーロッパではリゾート地として有名で人気の観光地となっています。
公用語は英語・スワヒリ語・アラビア語、時差は6時間、雨季が3~5月、10~12月ですので、それを外した時期がベストシーズンでしょう。
行き方ですが、日本からですと成田空港からエチオピア航空でタンザニアまで行きます。そしてタンザニアの首都、ダルエスサラームからフェリーか飛行機でザンジバル島へ、というのが最も簡単な行き方です。交通費は片道13万1千円前後です。
また旅行会社のツアーもありますが、この場合は他の島とのパッケージツアーとなります。
ジョン・マグフリ(John Pombe Joseph Magufuli)タンザニア大統領
外務省のHPで治安を確認したところ、ザンジバルの危険度はレベル1で感性症の危険度もレベル1と最低ランクです。武装強盗が出ると言われているブルンジとの国境付近以外は治安は比較的安定しているようです。
ただ、観光客には現地の人たちがすぐに寄ってきていろいろと付きまとってくることがあるので、日本の治安に慣れている人にとっては少し面倒くさいところがあるかもしれません。やはり夜は日本と同じように考えていると事故や事件に巻き込まれる恐れがあることも充分に認識しておきましょう。
政情不安な国が多いアフリカの中で、タンザニアは他のアフリカ諸国と比べると治安はよい方です。タンザニア革命党(CCM)の力が強い(1977年から現在までほぼ独裁状態)、という事が良好な治安の維持に貢献しているようです。
また、タンザニアは金、ダイヤモンド、天然ガスなどの天然資源が豊富で、政権が安定している背景にはそれらの豊富な天然資源の産出も関係しているのでしょう。
日本で第一に注目されているのは、オフショアの天然ガス田でしょう。タンザニア政府の発表によれば、40 兆立方フィートの可採埋蔵量が確認されており、2020 年頃には生産が開始される見込みになっています。現在、日本の大手商社が中心となって資本参加の道を探っており、生産段階に達すれば、約1兆円ともいわれるLNGプラントなど付帯的なビジネス・チャンスも増えて来ると考えられます。https://ab-network.jp/
因みにタンザニアで中古車販売(タンザニアは車は左側通行だそうです)で一発当てて、今では年商三百億円の社長になった金城拓真さんという方がいらっしゃいます。
また、タンザニアでは毎年(?)日本人会祭りが開催されるなど、民間交流も盛んです。
さらに、日本政府は1993年からアフリカ開発会議というものを定期的に開催しており、2019年8月には7回目となるTICAD(アフリカ開発会議)が横浜で開催されました。
ざっとネットを検索してみただけでもこれだけの縁がタンザニアとはあるのですが、日本においてはイマイチ印象が薄いというのが正直なところでしょう。しかし、治安も比較的安定し、景観も抜群、そして日本とも浅からぬ縁があるタンザニアは、隠れた観光スポットなのかもしれませんね。
死ぬ前に一度は三浦さんの パラダイスビーチバンガローズに泊まってみたいなあ、なんて、記事を書きながらふと思ってしまいました。