当時電通の新入社員だった高橋まつりさんが長時間労働等を苦に自ら命を経ったのが2015年12月25日。
その彼女の命日から2年目にあたる本日、母親の幸美さんが娘や電通に対する想いを綴った手記を公開して話題になっています。
この発表を受け、ネット民からは様々な反応が見られました。
スポンサードリンク
中にはかなり辛辣な物言いをする人達もいまいしたが、それらを含め、手記公開に対する反応をまとめてみたいと思います。
Contents
幸美さんは、公開した全部で1400文字を超える手記の中で、
娘への想いと自分
電通批判
働き方改革について
という概ね3つのパートに渡り、自らの思うところを連ねていました。
全文は他サイトで読んでいただくとして、ここでは時間がない人のためにその中から要点を抜き出しておきます。
・朝目覚める時、娘が生きている世界に戻っているかもしれないという期待を抱き続けている。
・娘を思わないときは一時もない。
・娘の後を追うことは許されない。
・電通は1991年に過労死を出して以来、全然反省していない。
・本気で改革へ臨まなければまた不幸な出来事を繰り返す
・罰金50万円という刑は軽すぎる
・娘の上司が不起訴処分になった事は大変無念
・安倍総理の働き方改革(残業の上限規制の件)には大変疑問が残る。
・このような形で母子の名前が日本中に知れ渡るのは不本意
・日本の社会全体で労働者の命と健康を守って欲しい。
娘の死後、政府や電通は本当に彼女の死を教訓として動いてくれているのかという、疑問や不審が痛いほど伝わってくる内容でしたが、これを受け、人それぞれ、十人十色と言うように、ネットからは様々な反応が見られました。
以下は手記が公開された事によるネット民の反応ですが、手記への反応というよりも、事件全体への反応といったほうがしれませんが、以下要約です。
罰金額はもっと増やさないと
電通は何言っても形式だけでしょ
構造的な暴力が働いている
今年も電通に入りたい新卒はたくさんいるんだろうな
長時間労働、パワハラ、セクハラを受けていた高橋まつりの事を考えると気が沈む
高橋まつりは過労死ではなく、セクハラやパワハラのせいで死んだ
電通が悪かったのは確かだけど、どうして母親は彼女を救えなかったのか?
高橋まつりの母親はいい加減黙るべき
母親の育て方が悪かったのもあるかも
死んだ娘の部屋で二年間寝起きしたなくてもいいだろう
あの事件から社会は変わったのか?
お母様もこの先何十年と悲しみが続くと思うとやりきれない
美人で頭がいいから人生イージーモードだろうと思っていたけどそうでもないんだな
社員を殺したのは天皇の軍隊かもしれない説について
教員の超過労をも危惧する
長時間労働に頼る会社のトップは「うちは大丈夫」と他人事だから問題は解決しない
やはりというか、電通批判が多かったですが、一連の事件の根底には、我慢、がんばる、を美徳とする、非合理的な日本人の精神構造が未だに根強く巣食っているのかもしれません。
わかりやすい言葉で表現すればB29を竹槍で落とせ、みたいな。
という事で、いくら政府が働き方改革と銘打った対処療法をしても、焼け石に水、かもしれません。(しかしそれが全くのムダとは毛頭思えませんが)
同時に根治療法、つまり、血反吐を吐く思いをして生き残ってきた企業戦士の精神構造を改革しない限り、同じような事は何度でも起こり得るでしょう。
さらに厄介なのは我慢・頑張るを美徳とする姿を、日本人が好んで見たがるという点。
甲子園しかり、駅伝しかり。
例えば炎天下で行われる夏の甲子園。
汗だくで必死で玉に食らいつく高校球児と、炎天下のスタンドに立って応援するベンチ外の選手や後輩達。球場の選手たちと苦しさを共有しようとの想いなのでしょう。
本人たちは喜んでやっているようなので特段言うことは無いのですが、それを見て、「ほら、おまえらもがんばれ」という人が少なからずいるからタチが悪い。
等といちいち例を上げればきりがないのでやめますが、一見高橋まつりさんの件と関係なさそうな事の中にも、過労死に繋がりかねないある種の危うさが潜んでいるので各々しっかりと自分の人生を防衛していきたいところですね。
以上、高橋まつり母手記公開に対するネットのの反応でした。