高井戸警察署で何故警察官が暴言を吐いたのか?万引き犯のその後は?

高井戸署の警察官が万引き事件の嫌疑をかけられた少年に対して取り調べの際に暴言を浴びせたとして東京弁護士会から警告を受けました。

これは取り調べを受けた少年が密かに身に忍ばせていたICレコーダーの内容から判明したことですが、その内容はかなり激烈で、

「高校なんかいかせねぇぞ、こら。」「牢屋に入れ。」「地獄を見せてやる。」等とマスコミが喜々として取り上げそうな刺激に満ちた言辞に溢れていました。

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しかし一体何故警察官がこのような暴言を吐いたのでしょうか。

 

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事件の概要

事件の概要は以下の通り。

2015年12月10日に万引きの疑いをかけられた少年CがクラスメートのAとBから万引きを強要されたと発言し、この供述を元に高井戸警察署がA,Bを任意で事情聴取。

2時間に及ぶ取り調べの中で、2人の警察官は少年等に対し数々の暴言を吐き、それをB が録音していて事の次第が発覚した、という事でした。

少年A、B はそれぞれ「やっていないのにやったと言わざるをえない状況にまで追い込まれた」という事で、いかに事情聴取が苛烈を極めたものかが伺えます。

 

警察官が暴言を吐いた理由とは?

警察官がこのような暴言を吐いた背景には少年Cの供述がある事は確かでしょう。その内容は公開されていないのでなんともいえませんが、ここまで少年達を追い詰めたからにはそれなりの理由、または少年A,Bの普段の素行などが関係していたのではないでしょうか。

推定無罪の原則に照らし合わせれば以上のような考え方は非常に危険ではあるのですが、人間の心理としては、疑わしきは疑えというのが正直な所。

つまり表に出来ない何かしらの根拠があったがゆえに、暴言を吐いてまで二人の少年達を問い詰めようとしたのか、

或いは、常日頃から不遜な態度の犯罪者(容疑者)と向き合ってきているが故に警官たちの心がささくれだち、このような暴言による取り調べが常態化していたのか。

仮にそうだとしても決して許される事ではありませんが、また反面、警察官がそうせざるを得なくなったであろう心情も痛いほどわかります。

または、単に職業意識という名の権力意識が肥大化し、本人も知らず知らずのうちに暴言を吐く事が日常化していただけなのかもしれませんが。

 

人権を悪用する人々

1976年に公開された「god speed you black emperor」という日本の暴走族を取り扱ったドキュメンタリーの中で、まだ15、6歳の子どもたちが、自分たちに手出しが出来ない警察官に対し「世論が怖いのかよ~」と笑いながら詰め寄っているシーンがありましたが、

このような決して新聞の記事に出ないであろう、「人権保護」を悪用している人々の存在が警察官達を追い詰めているという事も心の片隅にとどめて置く必要があるでしょう。

しかしその裏には、過酷な取り調べにより自白を強要され、冤罪で処された数多くの人々の存在がある、ということもまた同時に心に刻み込んでおかなければいけません。

過度に人権に配慮しすぎても犯罪者がつけあがり、治安の維持に支障をきたすと考えると、弁護士と警察官が、お互いに牽制し合うのではなく、一致団結してこのような問題を解決する必要があるでしょう。

 

少年2人は万引きに関与していない

日テレのサイトの記事によると

http://www.news24.jp/articles/2017/08/10/07369559.html

「少年2人は万引きには関与しておらず」とあり、

 

弁護士ドットコムでは

2人になんら嫌疑がない。第三者の供述によって、全く犯罪事実がない人間を引き込むというのは、刑事司法の上でもっとも警戒しなければいけない危険な取り調べだ。

と二人が万引きに関わった事実はない、としています。

つまり万引きの件は、強圧的な取り調べによる少年の自白以外になんら証拠がなかった、という事になります。

 

万引き犯?少年Cのその後は?

さて、気になるのが少年A,Bにそそのかされて万引きを強要されたと供述した少年Cのその後。どの記事を読んでもCのその後には触れられておらず、さらに、実際にCが万引きで逮捕されたのかどうかも不明。

仮にCが単独で万引きをしていたとするならば、その旨の記載があってもよさそうなものの、私が調べた限りは一切見当たらず。

その辺にちょっとした気持ち悪さを感じました。

 

刑事告発取り下げの謎

その後2人の少年は、2016年4月12日に東京地検に特別公務員暴行陵虐罪で刑事告発するも、警察側の謝罪により取り下げたそうですが、昨日になって東京弁護士会が警察へ警告書を発したとの発表がありました。

 

弁護士ドットコムの記事では、2人は東京弁護士会へ人権の救済を申し立てていた、とあるので、警察の謝罪に納得がいかなかった、或いは何らからの力が働き、刑事告発を取り下げざるを得ない状況に追い込まれ、それに不服を持っていたが故に弁護士会へ相談をしていたのか、

 

等、腑に落ちない点が多々ありますが、取り調べの際に黙秘権があるという事を少年側に伝えていなかった、というのが今回の一番の問題点ではないでしょうか。

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